「耳がきこえない人って、見た目はふつーだし…ふだんの生活ではみんなとそんなに変わった感じはないと思うけど?」
と感じる方も多いと思います。
が、、
ほんとは違うんですよ。日常の生活でも耳が聞こえないことですっごく困っていることがたくさんあるんです!
そんなあなたに、HPの管理人で聴覚障害者でもある花師ミナ(@hanashimina8737)が、
- 日常生活で、きこえない人が困っていること
- 代表的な聴覚障害者を取り巻く施設や環境対応など
- 日常生活の体験談
を、自身の体験をもふまえたお話も混ぜながら、紹介しようと思います!
管理人の花師ミナの詳しい紹介に興味ある方は、下記の記事を読んでね!
この記事は、ざっと読めますし、
「えっ、みた目はふつうの健康な人と変わらない聴覚障害者って、生活の中でこんなことに困ってたんだ!?」
ということがわかり、聴覚障害者に対しての対応が理解できるので、興味ある方はそのまま読んでいってね。
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【聴覚障害者の生活で困ってること】聴覚障害者とは?
【聴覚障害者の生活で困ってること】人はどこから情報を得ているか?
人は、自分を取り巻く環境や物事などをどこから情報を得て、判断や決断をしているのかを少し調べてみました。
五感による知覚の割合
人や動物には、五感が備わっています。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚から情報を認識しています。その割合は、
- 視覚… 83.0%
- 聴覚 …11.0%(聴覚7.0%という統計もあり)
- 臭覚 …3.5%
- 味覚…1.0%
- 触覚 …1.5%
となっていて、視覚に次いで聴覚が2番目となっていますね~。
『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)より参照。
メラビアンの法則
「メラビアンの法則」って、もしかしたら聞いたことがある方もいるかもしれません。
メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを図る時に、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」という割合で影響を与えていることを表した心理学上の法則です。アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱されました。
その割合は、
- 言語情報…7%
- 聴覚情報…38%
- 視覚情報…55%
となります。こちらでも、視覚に次いで聴覚情報が重要な情報手段となっていますね!
上記の「五感の知覚の割合」と「メラビアンの法則」から証明されているように、聴覚からの情報手段がいかに多くを占めているかがわかると思います。われわれ聴覚障害者は、「聴覚」から得る情報取得を得る方法が欠けているのです。。
聴覚障害者の生活で困ってることリスト
「聴覚」からの情報手段が絶たれている私たち聴覚障害者は、日常の生活から膨大な情報やとりまく環境に対してどんなことで困っているのかをお伝えしますね!
公共施設や街中で困ってること
- 駅や館内アナウンスで何を言ってるのかがわからない・聞こえない
- 病院や銀行での受付や待合室での呼び出しに気づかない
- 学校の授業やセミナー講座などで、先生が何を言っているのかわからないから勉強が遅れてしまうこともある
- ドライブスルーでの注文で、アナウンスがきこえないから注文ができない
- 買い物でコンビニやレジ店員との会話がわからない
- クレジット関係の電話対応ができない
コミュニケーションで困っていること
- コロナ感染の影響で、マスクで口元が隠れているためにみんなが何を言っているのかがわからない
- 家族や学校やコミュニティで、みんなとの会話に入れなくてコミュニケーションが取れないことが多いのでコミュ障と思われがち
災害や事故などで困っていること
- 火事や災害震災などで、町内アナウンスや音がきこえない
- 避難所での情報がわからない
- エレベーターでの非常通報ボタンでの会話ができない
- 自転車や車などのクラクションやベルの音が、特に後ろからだときこえない
家の生活で困っていること
- テレビや映画の字幕がないと楽しめない
- 目覚まし時計の音がきこえない
- 赤ちゃんや子供の泣き声がきこえない
こんな感じでざっと、わたしたち聴覚障害者がふだんの日常生活で困っていることの代表例をあげてみましたが、こんなに困っていることや不便なことがたくさんあるんです。。
【聴覚障害者の生活で困ってること】代表的な環境対応
聴覚障害者を取り巻く環境や施設の対応や設備の代表的な例をあげますね。
火事や災害震災などで、町内アナウンスや音がきこえない
「聴覚障害者が災害の被害に合ったらどんなことに困るのか?」と対応解決をわかりやすくパラパラマンガにしています。
駅や館内アナウンスで何を言ってるのかがわからない・聞こえない
2022年6月15日に、JR上野駅で耳がきこえない乗客に向けて、駅ホームのアナウンスや電車の発着音を文字や手話に変換してディスプレーに表示する新サービスの実証実験を始めたそうです!
電車遅延や事故などでの電車内アナウンスやホーム放送がきこえないので、この実験から日常生活にどんどん取り入れていってほしいと思います。
詳しくは、日本経済新聞に載っているので興味ある方は読んでみてね。
マスクでみんなが何を言っているのかがわからない
このマスクですが、聴覚障害の方々との意見交換会の時に口元が見えるようにとのご要請で、つけることにしたものです。そのまま電車に乗ったものですから、東海道線や新橋駅で今日はいろんな人にずいぶんとジロジロ見られるなあと思いましたが。 pic.twitter.com/MukN9N0aNC
— 河野太郎 (@konotarogomame) August 18, 2022
最近の話題にもなった、ホリエモンが河野外相がつけていた「透明マスク」に対して苦言を言っていた(Yahoo!ニュース)ことで記憶に新しい方もいると思います。
わたしたち聴覚障害をもっている人で、「口もとのかたちで読み取って話を理解する」ことでコミュニケーションを取る人がいるので、コロナ感染ウィルスの影響でマスクをつけることで口もとが見えないために、コミュニケーションに支障をきたしているのが現状です。
上記のTwitterで、河野外相がつけている「透明マスク」は口もとが見えるので大変助かります!
【聴覚障害者の生活で困ってること】日常生活の体験談
学校でみんなとの会話に入れなくて、コミュニケーションが取れない
これは、マスクあるなしに関係なく永遠の聞こえない人のための呪縛とか課題でしょうね(笑)実際に、わたし自身も聴覚障害をもっているために毎回悩みますし困ることも多いです。
こういったこともあって、学校ではいじめの対象にもなりましたね。。自分を出せずに、引っ込み思案というか周りの様子をみながら行動していたというのもありました。それでも、きこえる仲のよい友達や理解してくれる友達や両親もいたのでなんとか学校生活は卒業することはできました。
学校の授業で、先生が何を言っているのかわからない
学校は、普通のきこえる人と一緒の学校に通っていたので特別待遇や学校側の特別な対応はほとんどありませんでした。私が学生の時は、今みたいに手話通訳派遣や要約筆記などの環境体制は整っていませんでした。
なので、どうにか先生にお願いしたり頭の良い友達などにノートを借りたり、自分の両親が学校の先生だったので帰宅したら両親に勉強を教えてもらったりしていた…(と思う笑)というのが現状でした。
自転車のベルの音が、特に後ろからだときこえない
皆さんも狭い歩道や街中では、よく自転車のベルを後ろから鳴らされることがありますよね?あれ、わたしたちきこえない人って補聴器をつけていてもほとんど気づかないことが多いんですよ。。
だから、いつも周りをみながら気をつける必要がありますね。というか、自転車乗ってる人によけてもらう(笑)こっちが気づかないから、たまにヤジを飛ばされることもあります。
あとは、よく主人と並んで歩いてると肩をたたいて合図してもらったりしてます。
【聴覚障害者の生活で困ってること】まとめ
わたしたち聴覚障害者は、日常生活では耳からの情報が入らないがために、
「最悪の場合、命にかかわる危険との巡りあわせの生活をしている」
ということを少しでも理解してもらえたでしょうか。見た目は、普通の人とは変わらないために誤解や対応に困ることが多いと思いますが…そんなことありません(笑)
まとめとしては、
- 人は視覚に次いで聴覚から得る情報が多いが、聴覚障害者はそれが欠陥している
- 時には耳から情報が入らずに、命にかかわる危険との紙一重の状況にもなる
- 聴覚障害は、見た目からは理解されにくい・わかりにくいコミュニケーション障害でもある
といったことでしょうか。
もし、街中などで困っている聴覚障害の方がいたら、少しだけでも手を差し伸べてあげてくださいね。