「耳がきこえない人が、どうやって花屋で接客をするの?」
「きこえないのに、できるの?無理だよ・難しいよ…」
といった先入観をもった方が多いと思います。
ですが、、
この記事は、そんな皆さんの先入観をひっくり返してしまう記事です。
そんな先入観をひっくり返してしまうようなこのHPサイトの管理人である私の実体験をもとにお話ししますね。まずは、紹介させてください!
この記事では、
- きこえない人がどうやってコミュニケーションや接客をするのか?
- 耳がきこえないけど、接客もしてみたい!
- お花の仕事やフローリストに興味がある
- いまの仕事をやめたいけど、勇気がない・悩んでいる
といった内容が解決できる可能性が高いですし、この記事を読み終えているころは
「きこえない人への先入観」
が少しでも薄れていることでしょう。
/ いますぐ障害者向けの転職をしたい方は、こちら。 /
聴覚障害をもった人へ転職の企業採用状況
まず、聴覚障害者だけでなく障害者の世間一般でいう状況はどうなっているのか…といいますと、、
2021年3月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになり、今まで以上に活発に採用活動をすすめる企業が増加しているそうです。つまり、これまでより障害者を積極的に採用している状況になっていて、わたしたち障害者にとっては嬉しいお知らせですね!
くわしくは、厚生労働省HPに載っていますので、興味ある方はそちらを読んでくださいね。
聴覚障害をもった人が花業界に転職成功したきっかけ
15年以上やっていた趣味の花である「好き」を仕事にしたく、花業界へ転職するにも…
「接客はできるんだろうか」
「耳がきこえない障害者を雇ってくれるところなんてあるんだろうか…」
という不安はあったのですが、幸運なことにあるお方の紹介で花屋さんに転職することができました。
その花屋さんというのは、就労継続支援A型という障害者総合支援法に基づく福祉サービスを扱っている花屋さんでした。
まずは、そこから花業界への転職が始まったのでした。
就労継続支援A型とは?
「就労継続支援」とは、障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつであり、一般企業会社でなどで働くことが困難な場合に障害や体調にあわせて自分のペースで働く準備をしたり、就労訓練や仕事を行う場所のことです。
その就労継続支援には、
- 雇用契約を結び利用する「A型」
- 雇用契約を結ばないで利用する「B型」
2種類があります。
私は、その「就労継続支援A型」を併設している花屋さんに就職しました。
いままで一般企業で働いてきた経験もあり一般企業会社で働くことは困難ではなかったのですが、花業界つまり花屋さんとなると、聴覚障害者はどこも雇ってくれないだろう…という当時の判断でした。
ちなみに、聴覚障害専門の就労移行支援サービスに興味がある方はこちらをご覧ください。
聴覚障害をもった人が花業界に転職成功した仕事の秘訣
聴覚障害者は、コミュニケーション障害ともいわれており、人にもよりますが接客や普段の会話や仕事などにも支障をきたすことが多くあります。
そんな私が、どうやって花屋さんでの仕事へ転職成功をしたのでしょうか?
参考にこちらも読んでみてね。きこえない人ってどんな人なのかな?っていう疑問に対して、漫画を紹介しているよ。
環境を味方につける
「就労継続支援A型」を併設している会社だったので、一般企業より障害者に対しての理解や障害ハードルは低かったですね。その面に関しては、とても良い環境であり理解者の方は多くいました。
現在は、一般企業の花業界にいますが、いま思うと大変感謝をしています。
もし、ほんの少しでもきっかけがあれば、周りに理解者や味方を増やしてみるという方法もありますね。
コミュニケーション手段に工夫をする
いちばん大変だったのは、やはり最大の難関であるコミュニケーションが一番大変でした。花屋さんといいますと、従業員や同僚との仕事の会話はもちろんですが、さらに接客でお客さまとの会話も必要になってきます。
さらにさらに、
コロナの影響で…世界中の皆さんがマスクをするという状況。
わたしたち聴覚障害者は、人にもよりますが
「口のかたちで読み取ってお話を理解する」
という方法で、コミュニケーションを取っています。そのコミュニケーション手段のひとつが途絶えてしまいました…
さて、そういった状況をもふまえて私はどうしたでしょうか?(マスクをしていないふだんの花業務をも含めます)
それは、コミュニケーション方法にいくつかの手段や工夫をしました。
- 筆談&筆談ボードを使う
- 難聴バッジを見せる
- 声を文字に変える「音声文字変換アプリ」を使う
- 仕事の流れや大事な用件は、管理者や上司に紙に書いてもらう(スケジュール表)
など
スケジュールや重要用件などを文字にしてもらう
花屋さんは、現場での仕事や突発的に作業や業務が変わったりすることが多く柔軟な対応が求められます。そういった環境で、聴覚障害者は状況に合った柔軟な対応が難しい面が出てきます。柔軟な対応が難しくても、トラブルや間違いを事前に防ぐことは可能ですよね。
そこで、考えた方法のひとつが…
「一日や業務の流れをスケジュール化してもらい、それを紙などに書いて文字にしてもらう」
現場仕事なので、これがあるのとないのとで、まったく違ってきます。事前に、自分がどう動くかがわかるのとわからないのとは、全然状況が違ってきます!
これは、現場業務ならではの話です。
正確には、これを考えたのは…上司です。いま思うと感謝ですね!
花技術のスキルアップ
花屋さんでは、接客やコミュニケーション能力やいろいろなスキルが求められますが、お花の技術やセンスをも特に求められます。また、制作時間にかけるスピードも大事になってきます。私は、特にそこに力を入れました。
なぜか?
「耳がきこえないぶん接客などできないことはあるけど、そのぶんできることはなにか?」
に目をつけました。それが、
「花技術のスキルアップとスピード重視」
でした。やはり、これも環境のおかげです。
仕事の先輩や上司がすごくスピードの速い方がいたり技術に長けていて…その方々といつも仕事をしていたということもあります。
あとは、花の大会などで賞を取ったり実績を少しずつ積み重ねたことをもしました。
まだまだ、花技術やすべてにおいて発展途上中です。
花屋さんのお仕事に関しての記事をも書いているので興味ある方は、こちら!
聴覚障害をもった人が花業界に転職成功したコミュニケーション方法は?
わたしたち聴覚障害者にとって、最大の難関であるコミュニケーションが一番大変です。
そんな現場での花屋さんでのコミュニケーションにどんな工夫をしたのかを詳しく書きますね!
筆談&筆談ボードを使う
接客をはじめ従業員との会話などには、わからない・きこえない部分に関しては、筆談や筆談ボードに書いてもらうことをお願いしていました。
難聴バッジを見せる
接客時に、お客さまとのコミュニケーションがスムーズにいかなかった時は、
「両耳難聴 筆談で対応を致します」
の難聴バッジをお客さまに見せていました。これを見せることで、たいていのお客さまは嫌な顔をせずに理解をいただきながら対応させてもらっていました。なかには、急いでいる方やそうでない方もいましたが、ほとんど断るお客さまはいませんでした。
文字変換アプリを使う
UDトークや「Group Transcribe」という、声を文字に変換できる無料アプリを使って、従業員とのコミュニケーションや打ち合わせなどにも使っていました。
私は、特に「Group Transcribe」をよく使います。現在は、iPhoneのみ使えるそうです。
無料で使える手話アプリについて書いているので、興味ある方は読んでね!
聴覚障害をもった人が花業界に転職成功したまとめ
これで、少しは皆さんの先入観をひっくり返すことはできたでしょうか?(笑)
花屋さんという現場重視の仕事は、とても大変でしたが…
- 環境や周りを味方につける
- 誰にも負けないスキルやなにかを磨く努力も必要
- コミュニケーション方法に、自分でも工夫をする
といったおかげで、 聴覚障害をもっていても花業界に転職成功をすることができました。
現在は、スキルアップしたおかげで、「就労継続支援A型」企業から異動して、一般企業の花業界の大手会社に在籍しております。
今までは、障害者のなかでの花業界にいましたが、今度は…一般企業での花業界での挑戦をしております。
あくまでも、個人差はあるので…何が正解で何が正しいとは言えないのですが、あなたの人生のヒントのひとつになれれば嬉しいです。
また、聴覚障害者に対しての先入観が少しでも取り払ってもらえれば…さらに嬉しいです。
この記事を読んで、あなたの人生がよりよい方向にすすめるような一歩となりますように!