「今日は、映画やDVD、配信動画などで何を観ようかなぁ~?」「ヒマだな、なにかいい映画とかあったらいいけど…」「ちょっと、空き時間に近くの映画館でみてみようかな?」
っていうそこのアナタ、必読です♪
このHPの管理人で聴覚障害者でもある花師ミナ(@hanashimina8737)が、聴覚障害者の生活・生き方・考えがかいま見えるおすすめの映画を教えちゃいますね。
管理人の花師ミナの詳しい紹介に興味ある方は、下記の記事を読んでくださいね!
また、映画が好きな方・手話や福祉障害に興味がある方は、もしかしたらこの記事にたどりついたかもしれません。
いつものジャンルや観たい映画もいくつかあるし、本やセミナー講座で勉強するのもいいけど、たまにはこういう映画でもどうかな?
この記事では、
- 聴覚障害者の生き方・考えやカルチャーがわかる映画の紹介
- 耳がきこえない人を取りまく日本の映画字幕に対する環境や状況
- 聴覚障害をもった俳優女優が出演している感動してしまう映画がわかる
といったことを中心に書いています。
きっと、今日のあなたの娯楽が、感動の映画で充実した一日となること間違いなしです!
興味ある方は、このまま読み進めていってくださいね~。
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【聴覚障害者の生活】日本の映画字幕の環境や状況
感動する聴覚障害者に関する映画を紹介する前に、耳のきこえない人をとりまく日本の映画字幕の状況をお話させください!
映画では、洋画では日本語字幕版と日本語吹替え版のふたつがあるのが多いのは、皆さんご存じのとおりです。
ですが…日本映画つまり邦画に、日本語字幕がついているのがごくわずかで極端に少ないんです。こういった状況ですと、日本で洋画邦画を合わせてたくさんの映画が放映・上映されているのに、私たち聴覚障害者は、耳がきこえないので字幕がないがために観られる映画が限られてしまっているんです…。
もし字幕つきがあったとしても、
- 字幕つきの上映場所が限られている(県で数カ所など)
- 字幕つきの上映期間が短い(3日間のみなど)
- 時間が決まっている(平日の昼間など)
といった状況なんです。
たとえば、字幕つき上映を開催する映画館によっては、
- 日本語字幕つき映画を期間限定で数本のみ上映している。または、全ての期間に日本語字幕映画を上映しているものもある
- きこえない・きこえにくいお客さまが、スマホのアプリなどで字幕を見られるように端末の貸出をしている
といった対応をしています。
なお、上映期間や端末貸出などについては、字幕上映を実施している各映画館や劇場に問い合わせてみてくださいね~。
洋画字幕とバリアフリー字幕の違い
聴覚障害者をとりまく日本の映画字幕の状況を、だいたい理解してもらえたと思います。
ところで、聴覚障害者に向けた映画字幕に「バリアフリー日本語字幕」というのがあるんですよ~。
- 外国語のセリフを日本語に翻訳しただけの字幕である
- 「音」がきこえることが前提なので、きこえてわかる言葉は省略されている(例:名前の呼びかけなど)
- 日本語のセリフをそのまま表した字幕である
- 「音」がきこえないことが前提なので、きこえる音声はすべて字幕に出る
- 話している人がはっきりしない場合は、話している人物名も字幕に出る
- 効果音や音楽の情報も字幕に出る
というように、洋画の日本語字幕とバリアフリー日本語字幕の違いがわかったでしょうか。
わたしたちきこえない人は、そういった細かい音やセリフもきこえない人もいるので、字幕がないと映画のなかの人物のセリフやストーリーがほとんどというかほぼまったく理解できないことが多いんです。。
なので、バリアフリー日本語字幕のような対応は大変助かります。いや、字幕がまったくないより字幕があるだけでもつまり目にみえる情報保障があるだけでも、ほんとにありがたいです!
日本の字幕提供についてのアンケートについて、Palabra株式会社ブログを参照。
聴覚障害者の生活がわかる・感動する映画おすすめ3選
さて、本題です!
あなたの気になる「聴覚障害者の生活や生き様・文化カルチャーがわかる感動すること間違いなしの映画」を紹介したいと思います。
きっと、これから紹介する映画からあなたがひとつでも何かを得られることでしょう!
Coda コーダ あいのうた
- 監督・脚本…シアン・ヘダー
- 出演… エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デユラント、フェルディア・ウォルシュ=ピューロ
- 配給…ギャガGAGA★
- 受賞歴…アカデミー賞作品賞・アカデミー賞助演男優賞(トロイ・コッツアー)・アカデミー賞脚色賞
この作品は、漁業を営む聴覚障害者の家族ただ一人だけ耳がきこえる10代の少女(つまりコーダという)・ルビー(エミリア・ジョーンズ)の物語である。
だが、その聴覚障害者である父親役のトロイ・コッツアーに注目したい。彼は、主演者でただひとりの正真正銘の耳がきこえない人であり、きこえない人で世界で二人目となるアカデミー賞助演男優賞を受賞をした。作品自体も、ほかにアカデミー賞作品賞・アカデミー賞脚色賞というトリプル受賞をしたという作品もあります。
つまり彼は、きこえない世界をはじめ…そして映画界から世界に歴史を作ったのです!偉業を成し遂げたのです。
この作品は、手話のASL(アメリカン・サイン・ランゲージ)がセリフの4割ほどを占める内容であります。もちろん手話を使っているシーンでも字幕はついているので、安心して観られます。
この物語は、聴覚障害者のなかにただ一人だけ唯一耳がきこえる娘が、家族の通訳や家族の縛りや窮屈さを感じて葛藤するストーリーだが、トロイ・コッツアー演じる父親をはじめ家族の繋がりの温かみを感じる映画である。
また、耳がきこえないがために漁業をやめるという局面まできたこともあったが、きこえる主人公ルビーのきこえない兄が「漁業を立て直そう!」というハングリー精神をも見せてくれる映画です。
世界に向けて聴覚障害者の歴史を塗り替えた父親役トロイ・コッツアーをはじめ、笑いと感動、友情と恋、将来への不安、家族の結束…というすべての要素がそろった映画でもあります!
この映画の監督である深田晃司監督が講師をされる、ろう者・難聴者の俳優の養成講座「デフアクターズ・コース2022」が、10月~11月に開催されるそうです。
日本でもろう映画界についての発展がみられていますね~!
ゆずり葉
- 監督・脚本…早瀬憲太郎
- 出演…庄崎隆志・今井絵理子・福嶋一生・深田絵里奈・貴田みどり・井崎哲也・大久保鷹・石井めぐみ・西村知美・林家正蔵・山口果林・大和田伸也
- 配給…全日本ろうあ連盟
この映画は、日本のろう歴史の流れや法律をわたしたちきこえない人・先代の方々が変えてきた過程も描かれている。
例えば、「きこえない人は運転免許を取れない」「薬剤師の国家資格はろう者は取得できない」など制限のあった時代もあった。今現代は、きこえる人も普通に運転免許も取得できるし、国家資格も取得できる…といった比較的自由な時代となったが、そうではない時代もあったということを、この映画で上手に描写されている。
恋愛も書かれており、耳がきこえない人と耳がきこえる人との恋愛やコミュニケーションや葛藤や悩みも描かれている。
先代のろう者から若い次世代へのメッセージがたくさんこの映画で表現されているのは、私だけでしょうか?
聴覚障害者が出演している感動する映画を紹介しましたが、ぜひこれから観る方や「興味あるな、観てみようかな~?」という方は検討されてみてくださいね。
日本では、映画やドラマをはじめ、健常者がきこえない人を演じるという環境や状況が多いというのが現実ですが…日本には、聴覚障害をかかえていても良い俳優や女優または俳優の卵の方々が、この記事で紹介した方の他にもいるんです。
きこえない人で世界で二人目となるアカデミー賞助演男優賞を受賞をしたトロイ・コッツアーにつづいて、聴覚障害者をとりまく映画字幕状況や聴覚障害者に対する偏見や差別が減っていければよいな、とも思っています。
まずは、この記事で紹介した映画や聴覚障害者の生活や生き様・考えがわかる興味のある映画を観ることから始めてみませんか!
今日のあなたの娯楽が、感動の映画で充実した一日となりますように。